2021研究シーズ集_211012
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パイロット汚染問題の解消を        目指しています 実用化イメージ、想定される用途・高速、大規模無線通信システムでの通信品質改善企業等への提案この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。電気・電子情報工学系 通信信号処理研究室http://www.comm.ee.tut.ac.jp/csp/研究者情報:https://researchmap.jp/read0145865概要MIMO(multiple-input multiple-output)とは、送受信側で複数のアンテナを利用して情報伝送を行う無線通信システムのことです。特に大規模MIMOでは、基地局に数百本のアンテナを用意することで、数百人のユーザを同時にサポートすることが求められ、大規模MIMOにおける効率的な受信方式の創出を目指しています。従来技術・ユーザ間の電力差が必須。・推定アルゴリズムの収束が遅い。特徴大規模MIMOの性能を劣化させる要因として、ユーザから基地局に情報を伝送する上り回線での通信路推定で、パイロット汚染問題が生じることが指摘されていました。パイロット汚染とは、上り回線を利用して通信路状態情報(CSI: Channel State Information)を推定する際に、異なるセルに属するユーザが共通のパイロット系列を使用してしまった場合に、それらのユーザに対するCSIを正しく推定することができず、結果的に下り回線でのビーム方向を正しく定めることができなくなって同ユーザに対して干渉が生じてしまうという問題です。【解決策】近似的メッセージ伝播法に基づいて、ブラインド反復通信路推定法を構築しました。初期化方法を工夫することで、システムの負荷が高い場合にも同反復法の収束特性を改善することに成功しました。優位性・ユーザ間の電力差が不要。・推定アルゴリズムの収束が早い。大規模MIMO実用化に向けた課題・アンテナ間の空間相関の検討・見通し環境への対処キーワード大規模MIMO、圧縮センシング、近似的メッセージ伝播法、通信路推定、パイロット汚染−064−研究段階基礎実証実用化準備情報・通信大規模MIMOのためのブラインド通信路推定法の構築電気・電子情報工学系竹内 啓悟 准教授

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