2021研究シーズ集_211012
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 研究者情報:https://researchmap.jp/shozo-kawamura概要 高性能な機械・機器・構造物を作り出すためには、運転中あるいは外力が作用している際に発生する振動を、設計段階で高い精度で予測する必要があります。CAE技術の進歩によりCADデー タからかなり精度良く振動現象を予測可能になりましたが、さらに予測精度向上が求められています。私たちは、固有振動数や減衰特性などのモード特性の高精度な推定を行っています。従来技術 ・従来の1自由度法では、減衰性能が非常に低い場合に適用が困難。 ・自由支持状態の特性が求めたい場合でも実際には対象物を支持する必要がある。・形状加工された部材のCAE解析時にも、無 加工部材の特性を用いる。特徴 【直線フィット法】実験モード解析では、加振力と応答のデータから周波数応答関数を構築し、モード特性を推定 します。減衰が存在するため加振力と応答の間には位相の遅れがあり、周波数応答関数が複素数になります。それを実部と虚部に分解して整理し、最小自乗法でモード特性が同定できます。簡便ですが、適用範囲は広く、同定精度も高いです。 【支持条件の影響を考慮したモード解析】支持条件を含めた対象物全体の支配方程式を構築し、それに基づくモード解析法を開発しています。支持部材は局所的に付加されるので、一般的なモード解析によってモード分離ができません。適当な近似を導入してモード分離を実現し、支持部の影響を除去できます。【モード特性に及ぼす形状加工の影響】単純形状の部材のモード特性を同定し、その後、その部材を形状加工してモード特性を同定します。固有振動数と減衰特性の関係は適当な関数で表現できますが、形状加工を施すと、低周波数領域で特徴が変わります。その影響を解明しています。振動の動特性を解析して設計に活かす! 実用化イメージ、想定される用途・従来より振動特性の予測精度が向上するため、設計段階での用途が想定されます。企業等への提案この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。機械工学系 機械ダイナミクス研究室http://dynaweb.me.tut.ac.jp/実用化に向けた課題・実際の機械・構造物を対象にした検証が必要であり、提案手法の改良をしていく必要があります。優位性・実験モード解析法と同じ測定データで低減衰特性を精度良く簡便に推定可能。・対象物を支持状態でモード特性を推定後に、自由支持状態の特性を推定可能。・形状加工後の部材のモード特性が、無加工状態のモード特性から推定可能。L型に形状加工されたはりの 有限要素解析−021−キーワード振動工学、実験モード解析、固有振動数、減衰特性、 直線フィット法研究段階基礎実証実用化準備計測・制御 人工物の動特性同定(実験モード解析)に関する研究機械工学系河村 庄造 教授

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