2021研究シーズ集_211012
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H2還元・延長管の影響例次世代の成膜技術で樹脂基板上に    電気配線を直接印刷します 実用化イメージ、想定される用途・低融点の樹脂材料に直接電気配線を生成する装置企業等への提案この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。機械工学系界面・表面創製研究室http://isf.me.tut.ac.jp/index.html研究者情報:https://researchmap.jp/read0185108概要従来のプラズマ溶射装置では困難であった1kW以下の低電力大気圧プラズマ溶射をマイクロ波プラズマにより可能とする技術を開発しました。この技術は、大気圧下で低融点基材への高融点材料の溶射や反応性溶射が可能です。今般、低出力のマイクロ波プラズマ溶射により、ポリアセタール(POM)上に低電気抵抗率のCuコーティング膜を中間膜なしで印刷する技術を開発しました。従来技術樹脂基板への電気配線の直接印刷は、電気めっきや無電解めっきでコーティングしていますが、成膜速度が遅く、大電流用途の太い導体を用意することができません。特徴【研究成果】(1)溶射時のPOM基板へのCuスプレー粒子の堆積挙動がリバウンドの場合は、溶融したCu液滴がPOM表面を気化させ、Cu液滴とPOM基板との間に低濡れ性と低熱伝導率を誘導し、逆ライデンフロスト現象によりPOM基板からリバウンドすることが分かりました。(2)溶融したCu粒子を表面を溶融させて基板上に埋め込んだ場合には、粒子と基板との間に機械的なアンカーが形成され、コーティングと基板との間に約3.0MPaの高い密着強度が得られました。(3)活性ガスやガスシュラウドに水素を導入することで、酸化を低減させることができ、析出した皮膜の更なる低減が期待されます。(4)プラズマ溶射の作動ガスとしてArとH2の混合ガスを用い、延長管を設置した場合、膜厚62.5μm、電気抵抗率0.049μΩmを達成しました。これは35% IACS(国際焼鈍銅規格)に相当するものです。実用化に向けた課題・安定した成膜技術の確立・銅の電気抵抗値(率)に近づける溶射条件の検討優位性・樹脂基板上に中間膜なしでCuコーティング膜を作製することが可能です。・低電気抵抗性コーティングでは酸化防止が可能であることを確認しました。キーワードマイクロ波プラズマ、大気圧プラズマ、溶射、 ポリアセタール(POM)、溶融Cu粒子、低電気抵抗−006−研究段階基礎実証実用化準備大気圧マイクロ波プラズマ溶射装置加工・処理大気圧マイクロ波プラズマ生成法 およびそれを用いた溶射法の開発機械工学系安井 利明 准教授

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