2021研究シーズ集_211012
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快適空間のモノサシを提案します実用化に向けた課題・基礎的な技術は確立されつつあります。ユニバーサルな指標としての適用性を確保するために、様々な適用空間に特有の環境での実証的な検討が必要です。優位性・生活者(ヒト)基準に、温熱環境を見える化(定量化)が可能となります。・屋内外問わず素材・空間設計に広く適用可能です。住宅や都市における実測例素材改質による都市気候改善 シミュレーション例キーワード温熱環境評価、人体熱モデル、パッシブ建築、機能性素材、熱物性計測、断熱材、換気性状、都市気候(ヒートアイランド)−124−研究段階基礎実証実用化準備建築・社会インフラ 温熱的快適空間設計の研究建築・都市システム学系島﨑 康弘 准教授研究者情報:https://researchmap.jp/YasuhiroShimazaki概要我々が生活する場の快適・健康(安全)性は、ヒト自身の状態や周囲環境、それを形成する空間の素材や特徴に影響されます。都市域の暑熱を緩和策や屋内での快適性向上を実現する方策の検討・実施と同時に、これらを実現可能とするための測定法や評価システムの構築にも取り組んでいます。従来技術・環境を構成する素材、空間物理量、ヒトの快適性の間の関連性が不明確でした。・非定常など複雑環境での評価に難点がありました。特徴人体と環境との熱授受を考慮し、人体熱収支(人体熱負荷)を求めることで、被験者申告による官能評価と精度よく一致することを示し、温熱環境を温冷感により数値化しました。更に、熱量に対する感受性の部位差から、熱的非一様空間における全身の温熱状態を予測する手法を提案し、人体温熱感覚を生かした環境設計へとつなげる土台を構築することができました。私たちの生活環境は多様な材料によってさまざまな形で快適な生活を支えられています。日々進化する機能性素材が私たちの生活にどのように影響するか、反対に快適空間を創造するためにどのような性能が必要か、など上述の人体熱負荷量を環境評価のモノサシに、環境-被服-人体系の定量化を行うことで、エビデンスをもって安全・快適な空間設計や素材の最適化に結びつけています。建築空間は単に人間にとって快適であることだけでなく、環境にとっても負荷が少ないことも求められます。人体や環境負荷・省エネルギー性などの関係性について、実験や数値解析などを組み合わせることで、環境の現状把握や事前評価に役立てています。実用化イメージ、想定される用途・建築材料はもちろん、被服などヒト近傍の素材開発から都市スケールまで幅広く空間設計に適用できる技術です。ヒトに優しい空間設計への活用を期待しています。企業等への提案この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。建築・都市システム学系 建築環境デザイン研究室http://bed.ace.tut.ac.jp/

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