2021研究シーズ集_211012
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 研究者情報:https://researchmap.jp/read0056011概要 大規模火災や宇宙火災などは実スケール・実環境での試験が極めて困難です。もし特撮のように実現象を模型を使って再現できたら、具体的な対策検討が可能となります。このためには、① 再現を担保する法則(相似則)を導き、②適切な模型をデザインすることが必要です。相似則に基づく模型実験を活用した災害対策を提案します。従来技術 ・実スケール・実環境での試験をしようとすると回数やコストの制約が著しく大きい。 特徴 私たちは、火災などの災害に代表される特に(実スケール・実環境)実験が著しく困難な現象に対して、相似則を使って実験室で再現することで実践的な対策検討を支援します。 相似則は「与えられているもの」ではなく、各課題に対して「導き出すもの」であり、一旦相似則が導かれると、模型を使った再現実験(=模型実験)の実施方針が決まります。私たちは、主に燃焼・火災現象の解明に対して模型実験を活用して様々な基礎~応用研究を展開してきました。これまでの実績として、宇宙(微小重力場)での燃焼・火災現象の再現・安全対策への低減(図1)、ソルトウォーターモデルによる原子力施設内の火災被害の予測(図2)、火災旋風の再現試験(図3)などに成功しました。中でも、複数の企業から委託・共同研究実績を通じて、模型実験を通じて危機対策検討としての災害予測の支援をしてきました。解決できる図1 微小重力場での燃焼現象に対すか実用化イメージ、想定される用途も・大規模災害の被害拡大の様子を幾つかのパターンで予測できる可能性があります。・実物評価が求められる高コストな標準試験!など(例:難燃性評価試験、耐火試験等)の評価結果を予測できる可能性があります。企業等への提案今、対策に悩まれているその災害、もしかしたら模型実験で解決できるかもしれません。この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。その災害、模型実験で 機械工学系 環境エネルギー変換工学研究室http://www.me.tut.ac.jp/ece/wp/る模型実験例実用化に向けた課題・相似則導出には基礎検討に関する支援が必須です。・相似則の確認・検証のため、実スケール・実環境試験の結果の提供は不可欠です。優位性・実験室内で「注目する過程」のみ再現することができ、低コストで繰り返し検討が可能です。図3 火災旋風の模型実験事例−117−キーワード模型実験理論、相似則、低重力、宇宙開発、大規模火災 ソルトウォーターモデル研究段階基礎実証実用化準備図2 火災プリュームの動きを水槽内流動を用いて再現した例建築・社会インフラ 火災の相似則導出による実践的な対策検討支援機械工学系中村 祐二 教授

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