2021研究シーズ集_211012
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細胞膜での脂質やタンパク質の       挙動が確認できます 実用化イメージ、想定される用途・医薬品、薬剤、食品添加物等の細胞への影響について、材料レベルで評価優位性・脂質や膜タンパク質の局所的な集合状態や分布を観察支持脂質二重膜(SLB)と膜内分子拡散・ドメイン形成の模式図(上)と、固体基板表面の影響を受けて形成される膜内2次元ドメインのAFM像(下)実用化に向けた課題・多数の分子を一度の計測することによるスクリーニング技術の開発キーワード脂質二重膜、膜タンパク質、相分離、原子間力顕微鏡、 蛍光顕微鏡−112−研究段階基礎特徴支持脂質二重膜(supported lipid bilayer:SLB)系においては、脂質膜は1~2 nmの水の層を介して固液界面に「浮いて」います。脂質が基板に直接吸着しているわけではないため脂質膜は流動的であり、生きた細胞の細胞膜内で起きるような分子拡散やドメイン形成・消滅といった物理化学現象を再現して観察できます。特に脂質二重膜内に特定の脂質およびタンパク質が集合して形成される「ドメイン」は、「脂質ラフト」に代表されるように細胞膜内反応のON/OFFと効率を決める重要な現象です。複数種類の脂質分子や膜タンパク質を含むSLB系を作製し、分子レベル~マイクロメートルスケールの分子集合体について構造と機能の関わりを原子間力顕微鏡や蛍光顕微鏡を用いて明らかにします。企業等への提案この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。応用化学・生命工学系 界面物理化学研究室http://ens.tut.ac.jp/interface/index実証実用化準備バイオ・ライフサイエンス脂質二重膜内のドメイン形成と膜タンパク質再構成応用化学・生命工学系手老 龍吾 准教授研究者情報:https://researchmap.jp/tero概要支持脂質二重膜(SLB)を用いて、生体膜反応に関わる脂質やタンパク質の分子挙動を研究をしています。SLBは人工固体デバイス上の生体適合界面としても期待されており、デバイス材料表面上へのSLBの作製方法の最適化や、固体基板の表面機能を活用した膜反応場の活性制御を行うことも目指しています。従来技術・試料全体からの平均情報を取得

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